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2018.05.11
合同基礎ゼミ(秡川・王・馬内)の授業風景
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私たち(教員3名と学生19名)の合同基礎ゼミは本学が立地する国見の地に保存されている史跡「臨済院弁財天堂」の視点から「水源の森」復活を構想する授業に取り組もうとしている。その一環として、5月2日(水)に仙台藩の自然保護区であった国見地区の変遷を体感するための散策を実施した。

踏査コースは以下の通りである(カッコ内は通過時刻)。本学1号館(仙山線国見駅から徒歩約3分)を出発(15:20)→「仙台市水道局浄水場」前(15:22)→「仙台高校」脇(15:23)→「仏舎利塔」前(15:25)→仙台市営バス停「弁財天」前およびオーガニックカフェ「グリーンリーフ」脇(15:28)→「臨済院弁財天堂」入口(15:33)→「臨済院弁財天堂」(説明など)(15:35-45)→「河北山臨済院」跡→(15:45-47)「臨済院いにしえの丘公園」(15:48)→「国見ヶ丘共同墓地」脇(15:52)→「桜の水辺公園」での記念撮影(15:55-59)→「梅田川」源流部(16:00)→「東北福祉大学せんだんホスピタル」脇(16:02)→「同トレーニングセンター・武徳館」前(16:05)→「同ゴルフ練習場」前(16:06)→「同実学教育寮喜心寮」前(16:07)→「同感性福祉研究所・WELCOM21」脇(16:10)→「(財)宮城県予防医学協会」前(16:13)→「仙台市水道局国見庁舎」脇(16:15)→本学1号館に到着(16:20)

散策に先立ち、桑子[2013] をテキストに、現代的文脈における「弁財天」の意義に関する自主ゼミを実施した。傍らに弁財天(弁天社)を擁する佐賀県の「縫ノ池(ぬいのいけ)」はひとたび涸渇した後、再び水源として復活を遂げた。その点について、学生たちは以下のように述べている。

①弁天社(弁財天)を畏敬する住民に共通する心が、農業用水としての機能を果たさなくなっていた池(縫ノ池)を埋めずに、「残す」という行動を選択させたと考えられる。
②弁天社や縫ノ池の存在意義に関する住民の意見は多様だと考えられる。しかし、先祖から伝承されてきた弁天社が地域共有の文化財として意識されることで「保存か、開発か」という話し合いが40年も続けられ、結果的に地域の貴重な自然資源(水源)が保全されたと考えられる。将来、人知を超える天災によってダムや水道などの人工水源が利用不能になる場合、その意義が追認されるかもしれない。
③「縫ノ池」を埋めれば道路拡幅などを通してインフラを整備できたかもしれないが、安易に目先の利便性を求めずに話し合いを重ね、「弁天社の池」という意識を共有することで川津地区の住民は「生活の安心」というより大切な心理的インフラを得ることができたのではないだろうか。

自主ゼミや散策の成果に多様性が存在することは当然であるが、私たちはさまざまな意見や感想を歩きながら率直に交換できた。それが今回の授業における最大の収穫であったと私たちは考えている。将来の持続可能な社会を「いま」「この場」で構想していくには、結局のところ、歩きながら(生活しながら)、考えていく以外に方法はない。そのような学びを深めながら、大学の授業を人間として成長していく契機にしていただければ幸いである。

【参考文献】 桑子敏雄 [2013],生命と風景の哲学 ─「空間の履歴」から読み解く,岩波書店.

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